
薄暮の中、佃小橋から新佃まで、高張、弓張を掲げ若衆が整然と並んでいる。
新佃の拍子木が鳴り、手締めの音が聞こえると佃の男たちのボルテージは最高潮に達する。
講元の掛け声とともに、八角は最後の巡幸に向かう。夕闇の中、くぐもった男たちの掛け声と時折激しい雷光に照らされる宮神輿は、なにやら妖しい輝きを放っている。
今年の八角は重い。鳥居を抜けるころには、神輿はかなり傾いている。とっくに体力の限界のはずだ。世話人・大若衆が最後の意地を魅せる。若衆の手助けはいらねえ。
「差せ、差せ」の掛け声に今一度八角神輿が高々と上がった。
年番町三部部長の拍子木が境内に鳴り響く。三年に一度の夏が終わった。
次回、平成23年度の大祭は、8月6日、7日、8日の予定です。